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走れダイエットランナー!

はからずも52にして人生を再スタートすることになりました。健康を取り戻し、また走り始めたい!

結婚しようよ。

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その日は…

 

 

2人で、朝早くから、香川県にうどんデートに行っていた。

 

 

年に2、3回は通う、お気に入りの店があるんだ。

 

 

山越うどん。

 

 

ここの「かまたまうどん」が絶品で絶品で。

 

 

僕たち2人とも、大好きなんだ。

 

 

その日ももちろん山越さんでかまたまうどんをたべたあと、あと確か2〜3件のうどん屋さんを回った。

 

 

けっこうはやい時間に、大阪に戻れた。彼女が、あした早いから、という理由で、4時ごろ、家に送り届けた。

 

 

僕は当時、奈良に住んでた。公営団地の自分の駐車場にクルマを停めたのは5時前だったかな。

 

 

強く西日が差していたのを覚えているよ。

 

 

長い時間、運転していた。自分の駐車場に停めた時は、ふぅ〜っと、大きくため息をついた。

 

 

楽しい時間だった。

 

 

道中も、バカな話で盛り上がり、うどん屋さんでは美味しいうどんに舌鼓。

 

 

帰りの車中も、疲れてる僕をおもんばかって、必要以上に笑い、喋って、僕の眠けを追っぱらおうとしてくれて。

 

 

もう付き合い始めて1年以上やなあ。

 

 

車内を整えながら、僕は思った。

 

 

結婚、するなら、あの子やろうなあ。

 

 

運転席に座りなおして、僕は思った。

 

 

気づかいのできる、心の優しい、上品な、美人さんだ。

 

 

僕なんかにはもったいない。

 

 

…。まあもちろん欠点もあって。

 

 

時間を守れない、とか。

 

 

ぼんやりしてる、とか。

 



ガンコなとこ、とか。

 

 

でもそんな欠点はすべて長所と比べたら、ゴミ程度の小さなもので。

 

 

じゃあ、なぜ結婚を決めないんだ?

 

 

僕は自分に質問した。

 

 

…そうだなあ…

 

 

結婚って、そんなに良いものなのか?

 

 

独身の今は、いつ、どこへ行こうが勝手だし。

 

 

稼いだカネを何に使おうが勝手だし。

 

 

いつ帰って、いつ寝ようが勝手だし。

 

 

それこそ、他にいい女がでてきたなら、それに乗り換えようが勝手だし。

 

 

…いや、最後のはないな。

 

 

こんな僕に、彼女よりいい女が出てくるはずがない。  

 

 

でも…

 

 

最後のふんぎりが、まだつかないな。

 

 

西日が差し込んでいる車内。

 

 

ふと、助手席をみた。

 

 

ヘッドレストに、長い髪の毛が1本。

 

 

西日にあたって、きらっと光った。

 

 

彼女の髪の毛だ。

 

 

フッと、笑顔がこぼれた。

 

 

また、さっきまでの楽しい時間が蘇った。

 

 

…さあ、いつまでもこんなとこにいられない。

 

 

髪の毛を捨てて、家に入ろう。

 

 

そう思った。

 

 

が…。

 

 

カラダが、動かなかった。

 

 

脳は命令した。

 

 

①右手で髪の毛をつまんで、

②窓から外に捨て、

③クルマを降りよ

 

 

と。

 

 

でも…。

 

 

カラダが、動かなかった。

 

 

助手席の髪の毛をつまんで外に捨てる。

 

 

それができなかった。

 

 

彼女の髪の毛だ。

 

 

それを捨てるなんてできない。

 

 

脳の命令を、魂が拒んでいた。

 

 

…捨てられない。

 

 

たとえ、髪の毛1本でさえ。

 

 

その時、僕は思ったんだよ。

 

 

彼女と結婚しよう。